バイクフィッティングを開始してから15年ほど経過しました。
これだけ情報が溢れているにも関わらず、大会でトライアスリートのバイクのポジションやフォームを観ると15年前とさほど変わっていないことに驚きます。
↑こちらが加筆修正版です。
DHバーを使っていない方も少なくないです。長時間DHバーを持つのが困難なポジションなかも知れません。
バイクフィッティングとは
バイクフィッティングとは、バイクをライダーの身体的特性とライディングスタイルに最適に合わせるための調整プロセスです。目標は、ライディング中の快適さ、効率、パフォーマンス、安全性を向上させることです。
ちなみに勘違いされいる方も多くいますがショップで購入時に行われる簡易なサドルの高さなどの調整はバイクフィッティングではありません。実際のバイクフィッティングは2時間近くかけて行われる工程です。
バイクフィッティングのプロセスでは、サドルの高さ、サドルの前後位置、ハンドルバーの高さ、ハンドルバーの幅やリーチ、更にはシューズ上のクリート位置を調整することが含まれます。
これらの調整はペダリング中の関節と筋肉の角度に影響を与え、それがパワーがペダルにどのように伝達されるか、そして体の異なる部分にどの程度の負荷がかかるかに影響を及ぼします。
良いバイクフィッティングとは
良いバイクフィットは、間違った部位を過度に使用することによる故障を防ぎ、バイクライドの楽しさと効果を大幅に向上させることができます。
これは通常、伝統的な目視とゴニオメーターなどの計測器行うバイクフィッティングから、高度な3Dモーションキャプーチャシステムやスマートバイクを用いるものなど、様々な方法を用いて訓練された専門家によって行われます。
海外などでは解剖学や運動生理学に精通して専門家が行いますが日本ではその様な専門家の数は多くないと思います。
私は目視だけでなく、3Dモーションキャプチャーを使用してバイクフィッティング実施しています。必要な場合はスマートバイクやガーミンのパワー計測ペダルも用いています。
そしてバイクのポジションを導き出すだけでなくペダリングスキルを中心にバイクの基本やライディングフォーム、身体の使い方についても説明しています。
バイクのポジションは重要なのですが、バイクライドの際のライダーの身体の使い方も同様に重要だからです。それを初心者のうちに知っているのといないのでは後々大きな差が生まれることになります。
体幹部や手足の長さ、簡単な柔軟性などだけでポジションを導き出す方法もありますが、本当にそれで大丈夫なのでしょうか?
ライダーの体力や怪我や故障履歴、体幹の強さ、各部位の柔軟性(ハンドル周りは上半身の柔軟性も関与します)ライディングテクニックや恐怖心の有無などのメンタル面。
それら全てがバイクフィッティングに影響を及ぼします。それら全てを考慮した上で行うのが本来のバイクフィッティングです。
トライアスロンの場合ハンドル周りの調整が特に重要となります。特にハンドル周りはライダーの感覚も重要です。そのあたりもクライアントとしっかりと相談しながらバイクフィッティングを実施します。更にバイクフィッティング中にライダーのウィークポイントをみつけ、その対処法や強化方法なども指導します。
つまり良いバイクフィッティングとはただポジションを導き出すだけでなく、ライダーへのコーチングも適切に行うことができることだと考えています。
一般的にバイクフィッターが考慮する主要な要素は次のとおりです
あなたの測定値: これには身長、股下、腕の長さ、その他の重要な寸法が含まれます。
柔軟性: あなたの柔軟性は理想的なサイクリングポジションに大きな影響を及ぼすことができます。
あなたの目標: プロのロードレーサーの最適な位置は、一般的なライダーのそれとは異なる可能性があります。
あなたの自転車: バイクのタイプとサイズ、そしてそのバイクの調整範囲も影響を及ぼします。
故障や負傷の歴史: 過去の負傷や身体の状態が理想的なフィッティングに影響を及ぼす可能性があります。
初心者こそバイクフィッティング
バイクフィッティングは科学であり、ただバイクのポジション導き出すだけでなく、ペダリング技術やその人の改善ポイントを把握し適切なトレーニング方法などを指導する為に経験や知識が必要です。
そして解剖学やバイクそのものについての知識を有している必要があります。そのため適切なポジションを導き出す為には時間と複数の試行が必要となることがよくあります。
バイクフィッティングは一度きりのプロセスではありません 。あなたがよりフィットされてり、柔軟性が向上したり、ライディングスタイルや目標を変更した場合、再度バイクフィッティングを実施した方が良いでしょう。
トライアスリートにとってバイクフィッティングは必須であり、初心者のうちに受けておくことを推奨しています。高過ぎるサドル高や間違ったペダリングで乗っていると悪い癖がつきます。それはゴルフやテニスなど他のスポーツと同じです。
まだバイクフィッティングを受けていない方は、近くの専門家やバイクショップで、バイクフィッティングを受けることをお勧めします。
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