消化吸収能力の高いトライアスリートはバイクパートやランパートでジェルや、固形物を摂取してもさほど大きな問題は起こらないのかも知れません。(個体差が大きい、補給としておにぎりやみたらし団子などを食べるトライアスリートも聞いたことがあります笑)
しかし貴方がもし普段から消化吸収能力が低い場合(これまでに大会で問題を起こしている場合は特に)消化しやすく吸収の良い栄養源を選択することが重要です。
トライアスロン中に食べ物を受け付けなくなる原因には、いくつかの要因が考えられます。主に、身体的ストレス、消化器系の問題、栄養補給戦略の誤りが挙げられます。
- 身体的ストレスと運動強度:
- 高い運動強度により血流は筋肉に優先的に分配され、消化器系への血流を減少させます。その結果、食べ物の消化と吸収が妨げられ、胃腸に不快感や不調を引き起こす可能性があります。
- 消化器系の問題:
- トライアスロンは長時間にわたる運動であるため胃腸が敏感な人は消化器系の問題を起こす可能性があります。運動による身体のストレスが胃腸の動きを遅らせ、食べ物の受け入れが難しくなります。
- 脱水と電解質不足:
- 適切な水分補給や電解質のバランスが取れていない場合、身体は食べ物を正しく処理できなくなります。脱水状態は消化器系の機能を低下させ、食欲の低下、消化吸収能力の低下に繋がります。
- 栄養補給戦略の誤り:
- 競技中に摂取する食べ物や栄養補給品が身体に合っていない、または不慣れなものである場合、胃腸の不調を招くことがあります。レース前の練習中に使用したものと異なる補給食を使用すると、予期せぬ消化不良を引き起こす可能性があります。
- 心理的ストレスと緊張:
- 競技のプレッシャーや緊張も、消化器系の不調を引き起こす一因となり得ます。心理的ストレスは消化器系の動きに影響を与え、食欲を低下させることがあります。
これらの問題を避けるためには、練習中からレースと同様の栄養補給戦略を実践し、身体を慣らしておくことが重要です。また、適切な水分補給、消化しやすい食品の選択、ストレス管理にも注意を払うことが必要です。
例えばアイアンマンレースは極めて長い距離をカバーするため、効果的な栄養補給戦略が成功には不可欠です。アイアンマンは、スイム3.8km、バイク180km、ラン242.2kmです。この長時間に及ぶ運動で体力を維持し、パフォーマンスを最適化するためには補給戦略が不可欠です。
事前準備
- カーボローディング: レースの前日と当日の朝に炭水化物の摂取量を増やし、筋肉と肝臓のグリコーゲン(エネルギー源)を最大化します。
レース中の補給
- 水分補給: 脱水を防ぐため、定期的に水または電解質飲料を摂取します。摂取量は気温や汗の量によりますが、一般的には毎時500〜750mlが目安です。
- エネルギー補給: 消耗したエネルギーを補うため、主に炭水化物を中心に補給します。エナジージェル、エナジーチュー(グミみたいなもの)、エナジーバー、または独自に準備した食品(消化吸収能力が低い方はオリジナルの補給食を携帯)を使用し、毎時60〜100g(120gが良いとの記事もあります)https://www.womenshealthmag.com/jp/fitness/g32859098/carbs-benefit-muscle-recovery-20200619/の炭水化物を目安に摂取します。
- 固形食と液体食: 固形食はエネルギーを長時間にわたって供給しますが、消化に時間がかかることがあります。対照的に、液体食やジェルは速やかにエネルギーを供給し、消化が容易(私は殆どがジェルとエナジードリンク、蜂蜜&レモン水のオリジナルジェルと電解質で固形物はバイクの際、味変のための干し梅やグミ数個を携帯)です。
レースの状況や自身の消化能力に合わせて選択しましょう。 - カフェイン: 疲労を感じ始めたときにカフェイン入りのジェルやドリンクを使用すると、集中力の向上や疲労感の軽減が期待できます。
考慮しておく事項
- 試走: レース前に、予定している栄養補給方法を長時間のトレーニングで試し、自分の体がどのように反応するかを見極めます。
- 多様性: 摂取する食品や飲料の種類を多様にすることで、飽きを防ぎ、消化器系の問題を回避できる可能性があります
- 個人差: 水分やエネルギーの必要量は個人差が大きいため、トレーニングを通じて自分に最適な補給計画を見つけ出します。
アイアンマン競技中の糖質摂取量
- 推奨摂取量: 1時間に40gから100gの糖質を摂取することが推奨されます。これは、競技中のエネルギー需要を満たし、血糖値を適切なレベルで維持するためです。
- 具体的な目安:
- 競技の初期段階や低〜中強度の活動では、1時間に50gから80gの糖質が適切です。
- 高強度の活動や競技終盤では、エネルギー需要が増加するため、高強度の場合1時間に最大120gの糖質を目指す場合があります。
アイアンマンのような超長距離トライアスロンでは、栄養補給戦略がレースの成否を左右することがあります。普段の練習時に自分に合った補給方法を見つけ、適切な準備と実践を行うことが重要です。
トライアスロンのアイアンマン競技で1時間に必要な水分と電解質の量は、個人の体重、競技中の気温や湿度、汗の量や濃度、および個人の耐性など多くの要因によって異なります。しかし、一般的には
水分補給
- 一般的には、1時間に500mlから1000mlの水分を目安に補給することが推奨されます。これは気温や湿度が高い場合や、個人が多汗傾向にある場合には、より多くの水分が必要になることを示しています。冷涼な環境や汗をかきにくい人では、この量は少なくて済む場合があります。
電解質補給
- ナトリウム: アイアンマン競技では、1時間に500mgから700mgのナトリウムの補給が推奨されます。特に暑い環境下や、汗をかきやすい人は、この上限近く、またはそれ以上のナトリウムを必要とすることがあります。
- カリウム: 1時間あたり200mg程度のカリウムの補給が推奨されます。多くのスポーツドリンクやエネルギージェルに含まれています。
- マグネシウム: 日常の食事から十分に摂取することが一般的ですが、競技中には1時間あたり100mg程度を補給することが推奨される場合があります。
これらのあくまでも出発点であり、最適な水分補給量と電解質補給量は、トレーニングや事前のレースでの経験を通じて個人に合わせて調整する必要があります。特に長時間にわたるアイアンマンでは、熱中症や水中毒(低ナトリウム血症)を防ぐためにも、自身の体がどのように反応するかを知り、適切な計画を立てることが重要です。
PART2では液体ドリンクやジェル、手作りジェルなど具体的な補給について紹介します。
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