クロールでロング(長距離)を泳ぐ際に適したキックには一般的にどの様なものがあるでしょうか?
ちなみに私は36歳の時にスイムを始めました。その時は「トライアスロンのスイム=2ビートキック!2ビートキックが最もが効率的です。」と言われいきなり2ビートを習いました。指導者によってはウェットがあるから、まずはノーキックでも大丈夫などと話されていました。
現在、私は状況に応じて2と4を使い分けています。初心者🔰はどのキックを最初に覚えればいいのでしょうか?
一般的にはロング(長距離)を泳ぐ際に適したキックは、エネルギーの効率の観点(太腿の大きな筋群を使うとエネルギー効率が悪い)から2ビートキックや4ビートキックが推奨されています。
2ビートキック
2ビートキックは、ストロークサイクルあたりキックが2回のみキックが行われます。これは、ロングディスタンススイマーに特に人気があります。エネルギー消費を抑えつつ、体の安定性を保ち、滑らかで持続可能なペースを維持するのに役立ちます。
4ビートキック
一部のスイマーで、効率よく速いペースで泳ぎたい場合に4ビートキックを選択する選手もいます。これは、ストロークサイクルあたり4回のキックを含み、2ビートキックよりも少しだけ多くの推進力を提供してくれますが、エネルギー効率は2ビートよりは劣る(心拍数が上昇する)かも知れません。
6ビートキック
6ビートキックは子供達や短距離スイマーが行っている最もよく見る基本的なキックです。6ビートも長距離のフリースタイルに適していますし、特にスピードを維持しながらエネルギーを効率的に使いたい場合に有効です。OWSのトップ選手などは6が多い印象です
6ビートキックはストロークサイクルあたり6回のキックを含み、より高い推進力と速度を提供します。これはミドルディスタンスや長距離で競技力を高めたいスイマーに適していますが、エネルギー消費が大きいため、持久力とエネルギー管理が重要になります。長い距離をこれで泳ぎきるにはかなりの泳ぎ込みが必要であるとも言えます。
- 6ビートキック: スピードと持続性を重視するスイマーに適していますが、持久力とエネルギー管理に優れている必要があります。心肺機能が高い必要があります。
- 2ビートキック: エネルギー効率を最大限に高めたキックですが、高い技術レベルとバランス感覚が求められるため、実際は上級者に適しています。しかしまずは膝の落ちない股関節からうつキックを6ビートやビート板のキックで覚える必要があります。
初心者に推奨
2ビートキックについては、一見シンプルでエネルギー効率が良さそうに思えますが、実際には高度な技術とバランス感覚を要します。2ビートキックは、腕のストロークと完璧に同期する必要があり、この同期を維持するためには高いレベルの技術と体のコントロールが求められます。
従って、実際は2ビートキックは上級者向けと言える面があります。特に、バランスと体の位置を保ちながら効率的に泳ぎ続ける能力と股関節から上手くキックできる技術が必要です。
私の指導の経験上、2ビートキックをしてますと言われる方を指導すると片足での単独キックができなかったり、水中で確認すると実際は4ビートになっていたりします。
また2ビートキックはできているのですが、膝がかなり折れ曲がり腰の落ちた抵抗の大きいキックをしたりしています。
つまり2ビートキックはコーディネーション能力や適切なキックの技術が必要なので初心者🔰向きではないと思います。
特に大人になってからスイムをはじめる方は2ビートを選択すると泳げるようになるまで、6ビートからはじめるよりも余計に時間がかかるかも知れません。
そのため個人的にはまずは6ビートをお勧めします。例え2ビートから習い始めたとしても、適切な技術を身に付けるためにビート板を使った6ビートのキックは必ず行いましょう(キックの基本を身につけるため)
トレーニングの重要性
長距離を効率的に泳ぐためには、キックのみならず、体力、呼吸法、ストロークの効率も大切です。トレーニングを通じてこれらのスキルを磨き、エネルギー効率の良い泳ぎを目指しましょう。
特に子供の頃からスイムをやっていた方と大人になってスイムを始めた方は上半身の柔軟性が全く違います
ストレッチや柔軟体操、モビリティを向上させる体操などを定期的に行うことが、地味ですが結局は近道になるはずです。UNITYでは初心者🔰の方にはストレッチや柔軟性体操、モビリティエクササイズ、シャドースイムなどをしっかりと行って頂いています。
特に胸郭が硬く仰向けでストリートラインをとると大きく腰の反る方は腹圧を高めるエクササイズや胸郭部のストレッチをしっかりとやる必要があります。これらについても過去にNTT西日本支援事業の一環としてのトライアスロン講習会で指導させて頂きました。
昔からこのようなエクササイズを重視しています。
キックのTIP
- リズムとコーディネーション: 適切なキックのリズムを見つけ、腕の動きと同期させることが重要です。これにより、スムーズで効率的な泳ぎが実現します。
- 脚の力: キックは、大きすぎる動作ではなく、足首の柔軟性と軽快な動きに依存します。脚をストレートに保ちつつ、リラックスした足首で水をかくようにします。
トライアスロンに適したキック
どのキックを選択するかは、スイマーの泳ぎ方、体力レベル、競技の目的などによって異なります。個人的にはトライアスリートは2・4・6ビート全てのキックができるようになれば良いと思います。
追い波や向かい波、ウェット着用時やノンウェットレース、ドラフティングなど海では状況が常に変化するからです。
まずは6ビートがしっかりと打てるようになってから2ビート→必要であれば4ビートと段階をおってマスターしていくのが良いのかも知れません。そうすることでドラフティング時や追い波では2ビート、集団から抜け出す時や向かい波では6ビート、巡航は変速の4ビートなど状況によってキックを使い分けれる様になると良いですね。
個人的にスイムに関わらず一つのことに固執しすぎることで寧ろ成長が遅れることがあると感じています。様々な動きに挑戦することで結果的に特定の動きも上手くなる(身体の使い方が)といったこともあります。その為、公園遊びやスパルタンレースもトレーニングの一環として取り入れています。
ある程度泳げるようになってからはトレーニング中に様々なキックを試し、自分の泳ぎに最適なバランスを見つけることが大切です。
また、コーチやトレーニング仲間からのフィードバックを得ること(客観的視点)も、適切なテクニックを習得する上で非常に有効だと思います。
国内のトライアスロンシーズンの開幕まで残り1ヶ月をきりました。2024年のシーズンおよびデビューに向けてマイペースで積み上げていきましょう^_^
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